肉まんと豚まんの話

 

関西にいたころの話になりますが、

某ダスキンが展開している某ドーナツ屋さんでこんなやりとりを目撃したことがあります。

 

 

おじさん「豚まんや!!5個ちょうだい!!!」

店員さん「肉まん5つですね!」

おじさん「肉まんやない!!豚まんや!!5個!!」

店員さん「ウチにあるのは豚まんでは無く、肉まんです!!」

おじさん「なんや!そこにあるの豚まんやないんかい!?」

店員さん「これは肉まんになります!!」

おじさん「なにが肉まんや!何の肉使っとんのや!!」

店員さん「豚です!!」

おじさん「豚まんやないかい!!!!!」

店員さん「肉まんです!!!!!!」

 

記憶の中ではもっと長いやりとりで、肉まんを食べると死んでしまうおじさん VS 豚まんを売ると死んでしまう店員さんの熱いバトルだった気がします。

こんな不毛な争いをもう二度と起こさないためにも、ここで【肉まん】と【豚まん】の違いについてはっきりさせておこうと思います。

 

さて、最近はコンビニでもカレーまん、ピザまんなどいろいろな「まん」が売られています。

聞いた話によると、「肉まん」と「豚まん」が並べて置いてあるコンビニもあるとかです。

この2つの違いを解説していくにはまずは関西と関東の食文化の違いから説明していく必要があります。

 

 

まずは鎌倉時代へ遡ってみましょう。

鎌倉時代といえば約800年前、まだ人々が洞穴に暮らし、動物を追いかけつつ生計を立てていた時代です。

というのは冗談です。

日本では農耕が発達し、それに伴い農耕用の家畜も普及していました。

東日本は比較的寒冷で、暖かい時期が短いために作業にも早さが求められます。ということなので素早さのある馬が農耕家畜として主流でした。

 

 

 

一方、温暖な西日本では温暖な時期が長いので、馬よりもパワーのある牛が使われていました。

 

また、馬の糞は発酵による発熱効果が高いというポイントも重要だったようです。

これは、糞に含まれる微生物の違いが大きいようです。牛と馬とでは内臓の構造が全く違います。

牛は胃が4つもある反芻動物で体内に巨大な発酵タンクを持っています。そこで植物のセルロ―ス分解し、養分を得ます。排出される牛糞は発酵済みでほとんど粕となっています。

一方で馬も草食動物ですが胃は一つ。牛のよう胃袋を4つも持っていません。また牛に比べ動きが俊敏であるように、草食であっても巨大なエネルギーを瞬時に得る必要があります。そのため、体内に持つ微生物の分布が牛とは大きく異なるのです。馬糞として体外に排出された後も、微生物の働きでしばらくは温かく、田んぼに撒くと水温が上がるとまでいわれています。

 

以上の様な理由もあって、鎌倉時代では箱根から東に牛は一頭もいなかったようですよ。(国牛十図という文献が残っています)

 

それでは明治時代に進んでみましょう。

「ザンギリ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」 でお馴染み、日本にも肉食が広まる時期ですね!

新しいモノ好きの関西人は流行の最先端でもある肉にどんどん飛びついていきます。

神戸牛が外国人に認められてそのブランド力を高めていく歴史もこの辺りから始まっていったそうですよ。

当初は肉屋さんから買う訳にもいかないので、農耕用に使っていた家畜を食用に転用していくのですが、西日本は牛がたくさんいたので、そのまま牛肉文化になっていきます。

東日本はというと、牛に比べて肉の量が少ない馬に手を出さず、豚を食べるようになります。

 

肉の量の他に、成体へ成長するのに約2~3年かかる馬に比べ、生まれて半年で出荷することのできる豚が食用として優れていた事も大きかったと思います。

そのような流れから、関西では牛肉を使用する「すき焼き」という料理が生まれました。関東ではこの「すき焼き」の事をあえて「牛鍋」と呼んでいたことはみなさんご存じですよね?

つまり、東日本では牛肉が根付かず、もっぱら豚肉が主流となっていたのでした。。。

 

 

という流れで今日に至るのですが

確かに、関西でホルモンと言えば牛ホルモンを指しますが、関東では豚ホルモンが多いですよね?

特に輸送が発達した現代においても数百年の歴史がある食文化はしっかりと私たちのDNAに刻みこまれているようです。

 

 

ということで、【肉まん】【豚まん】の話へ戻りましょう。

先ほど、すき焼きの部分でも触れましたが、東日本では肉=豚なので、豚肉が中に入っている「まん」は【肉まん】

肉=牛 の西日本では豚肉が中に入っている「まん」はあえて【豚まん】と呼ぶようになったみたいですよ。

中に入っているのが牛肉だと逆になっていたのかなぁ・・・なんて考えてみると面白いものですね!!

 

いろいろ大人の事情で某ドーナツ屋さんで肉まんを見ることはもうないのでしょうけども、

兎にも角にも!!肉まんは美味しいですよね!

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